無病息災のお祭りって古代の生命保険だよねって話

今年も福岡県筑後市の熊野神社で行われた鬼の修正会に参加してきた。
鬼の修正会とは約500年前に始まったとされる無病息災を願う祭りだ。
参加者は500kgの大松明を刈又と呼ばれる槍のような道具で持ち上げて、熊野神社の境内を三周回るのだ。
参加者は上半身裸のため大松明からこぼれ落ちる火の粉、というか火の玉を直に浴びなければならない。
実際の祭りの様子は過去の記事を読んでもらえるとわかると思う。また、祭りの起源や久留米の鬼夜との比較記事はこちらで読める。

無病息災のお祭りってその年の自分の健康や家族の無事を祈るわけである。
それって古代(鬼の修正会に関しては古代というには新しすぎるが)の生命保険だよねって思うのですよ。
いつの時代も家族が無事に過ごせるのは身近であり、最大の祈りだったのだろう。
だけど、生命保険と無病息災の違いって生命保険は負の方向にお金を払うわけです。

もし自分が死んだら。
もし自分が病気になったら。
もし自分が事故に遭ったら。

そういうマイナスなことにお金を払うのが生命保険。
ところが無病息災は正の方向へお金や労力を使うわけだ。

健康でいられますように。
無事で過ごせますように。
病気が治りますように。

それってすごく理にかなっているなあと思うのです。
そりゃあ自分が死んだ後に家族になにか遺せていたらというのは大事なことだが、なにも生きてる時から死ぬことに投資しなくてもいいと思うのですよ。

そんな生きてることに力を注ぐ鬼の修正会の参加者は、昨年に比べて大幅に減ってしまった。
地元の力不足もあるが、若者が参加しないそうだ。
先行き不安な現代だからこそ、祭りに参加することが大事だと思うのだが。
約500kgの大松明を掲げるなんて危険な祭りだが、時には正の方向に投資するのはいかがだろうか。

K.Takeshita

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